船級協会の有志が結集し、船級相談所が誕生いたしました。
船級協会の歴史は深く、1760年にイギリスのコーヒーハウスに集まっていた人々が設立したと記録されております。
船級協会は、設立当時は保険の対象となる船舶とその装備品を検査する独立機関でしたが、長い年月を通じて世界中の旗国政府から国際条約や旗国独自規則に基づく検査の実施や証明書の発給などの代行権限が与えられた権威のある組織にまで発展いたしました。
現在では様々な歴史的背景、権限を持つ船級協会が世界に130以上も存在しており、中でも国際船級協会連合(IACS)に所属する12の船級協会は一際高い権威と社会的信頼を有しております。
その長い歴史の中、多くの犠牲者を伴う重大な海難事故、環境への悪影響、新しい技術の誕生等々に対応するべく、船級規則や国際条約のような安全基準は一層厳しくなって参りました。
海上における人命、財産、環境がますます安全になる喜ばしい歴史の一方、製造者や海運業者が満たすべき規則条約事項も厳しさを増し、彼らの負担が非常に大きくなってしまいました。規則条約事項を検査・承認する立場である船級協会や旗国政府も同様です。
そんな方々の力になるため、1951年西ドイツにて、船級協会に長年勤めた有志が集まり立ち上げた組織が、この船級相談所です。
第二次世界大戦後で混乱の残る中で船級相談所は、同じ志を持った様々な船級協会の元職員達と手を取り合いながら、これまで世界各地で多くの方々のお悩みを解決して参りました。
「船級や条約に悩む皆さまのお力になりたい。」
その意志は脈々と継承され、2021年、イタリアミラノから海運・造船強国である日本に拠点を移し、合同会社みなとみらい船級相談所を設立いたしました。
これからも船級協会に長年勤めた経験豊富な専門家達が、皆さまのお力になることをお約束いたします。